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こはくが家にくるまで

4年前のある日、嫁から「ねぇ、猫飼いたいんよね」と言われました。

――4年前のある日のこと――

嫁:ねぇ、猫飼いたいんよね。

俺:え?

嫁:なんかさー、猫飼うの夢だったんだよねー。

  ほら、うちって猫に向いてる梁あるやん。

  (新築した我が家にはリビングのど真ん中に大きな梁がある。

   嫁によるとはじめから猫用にと目論んでいたらしい)

俺:猫って…俺生き物全般苦手なんやけど。無理でしょ。

嫁:大丈夫、私が世話するから!

俺:(嫁は飽き性だし、いつものように話題にあがるだけかな)

  ふーん、で、どんな猫なん?

嫁:ペットショップの店員さんがね

  すごい性格の良い猫がいるって言っててさ。

  もうマジでめっちゃかわいくて本当見に行ってほしい!

  マージでかわいかった!

俺:(めっちゃグイグイくるやん…)

  お、おう。まぁ、機会があればいこっか。

  と、この日は嫁のテンションが高く話を聞くだけに留めておいた。

――後日――

俺:ちょっとホームセンター行って買いたいもんあるし、いこーぜー。

嫁:…いいよ^^

――ホームセンター着――

俺:…OK、レジいこ。

嫁:ちょっと待って、こっちきて!

俺:ん?何かいいもんあったの?嫁:前言ってた猫ね、この猫のことなん!

俺:(やっべ!この店ペットショップあるやんけ!ここのことやったんか)

  お、おう。そうなんや…

嫁:見に行こうよ!抱っこさせてもらおっかな~

俺:いやいやいやいや抱っことか…何言ってんの?!無理に決まってんじゃん!

――結局、ペットショップ前まで半ば強引に連れていかれた。

――ペットショップ前――

嫁:この子!はぁ~マジでかわいい。ねぇ…飼っちゃダメ?俺:コワイ。ムリ。

嫁:大丈夫だよ!店員さんからも、あの猫ちゃんは性格がめっちゃ良くてオススメです!

  って言われてるもん。

俺:そりゃ店の人なんだからそう言うでしょうよ!

  猫なんて何考えてるかわからんから、絶対いや!

店員:いらっしゃいませ、こちらの猫ちゃんは本当にかわいいんですよ~^^   先日奥様にも色々とお話を伺っておりまして…旦那様、どうですか?

俺:(こいつ絶対俺らのやり取りみてたな…)

  うーん…無理、ですね。本当に生き物全般苦手なんです。

  昔から虫も魚も犬も、とにかく苦手で怖いんです。今から猫なんて、絶対無理です。

店員:そうなんですねー。猫には色々な種類がいるのですが、この猫ちゃんはとても人なつっこく飼いやすい性格なんです。初めて動物を飼う方でも大丈夫だと思いますよ。このショップにいる猫の中でも一番オススメの猫ちゃんです!

俺:そうなんですか…散歩とかは必要なんですか?

店員:猫なので、基本必要ありませんよ。

俺:ご飯はどんな感じですか?

店員:いわゆるキャットフードOKです。まだ子猫なので餌は限定されますが。

俺:生き物なんだし、臭いですよね?

店員:犬と比べれば全然臭くないですよ、おしっこやうんちは躾けなくてもできますし。

俺:えっ、そうなんですか?!猫って一人でトイレできるの?!

店員:はい。定期的にトイレを掃除するだけで大丈夫ですよ。

俺:想像してたのと全然違うな~。わかりました、一度家に帰って相談してみます。

店員:お待ちしております。

ただ、他のお客様が購入された場合、残念ながらこの猫ちゃんはいなくなっちゃいますので…お願いしますね。

――その後、一度真剣に考え直すこととなり、店を後にしました。

正直、この時に嫁と店員から言われた「この猫は性格が良い、人なつっこい、飼いやすい」というワードは詐欺師の常套句並に信じられませんでした。

というのも、小学校の頃のあるエピソードによるものなんです。

それは、犬を飼っていた友達の家に遊びに行った時の事です。

突然、遊んでいた友達が飼い犬を連れてきました。

その友達は「うちの犬は咬まないよ~^^」と言いながら、何を思ったのか腕の中から犬を離しました。

同時に、ワン!ワン!という犬の声とキャー!うわー!という泣き叫ぶ声が入り混じり、まさにカオスな状況となりました。

一緒に居たある友達が噛まれそうになり、部屋から飛び出していきました。

飼い主の友達は「走ると追いかけるよ~止まればいいよ!」というが、信じられますか?人前で犬を突然放す人格の持ち主ですよ?

結局、逃げた友達は田んぼに足がはまり、ひどい顔をして泣きじゃくっていました。

その横でずっと犬は吠え、追いついた飼い主の放った言葉は「だから逃げたら追いかけるっていってんじゃーん、バカだな~」でした。

俺はそのエピソードから、生き物を飼う人間の言葉は信じられなくなりました。

 思い返すと、犬は悪くないのかもしれませんけどね…。